「モチベーション 3.0」を読みました。
最近はメンバーを入れて自分のプロジェクトを運営することも多くなってきました。
今まではわりかし自分のことだけを考えて仕事をしてきましたが、
メンバーにも良い影響を与えながらプロジェクトを進めるにはどうしたらよいか?
…ということで、まず人はどのような時にモチベーションがあがるのかを学んでみました。
この本のタイトルにある3.0は人がモチベーションを変化させる仕組みをOSに見立ててバージョン付けしたものです。
簡単にいうと人間は次のようにモチベーションを上げる仕組みをバージョンアップしてきました。
1.0 最初のバージョン。人は生きるための欲求をモチベーションを上げる理由としてきた。
つまりは食欲や性欲などを満たす行動をとるときにモチベーションが上がる
↓ バージョンアップ
2.0 アメとムチ によってモチベーションが変化する
人は報酬を与えられることでモチベーションを上げ、罰を与えられることでモチベーションを下げる
つまりは外的要因によって人のモチベーションは変化する(させる)ことが可能である
↓ バージョンアップ
3.0 人は内発的動機により自らモチベーションを上げた時に持続するモチベーション(やる気)が出る
内発的動機は3つの要素により発生する
1. 自律性(オートノミー)
2. 熟達(マスタリー)
3. 目的
バージョン3.0についてはある程度、読むだけで納得できます。
自由に仕事をする(自律性)、自分のスキルを高める(熟達)、目標に向かって(目的)などは
どれもモチベーションが上がる言葉に感じます。
また、特に大事なのは自律性だと思いました。やっぱり誰かにコントロールされてると
感じた時点でモチベーションなんて上がらないと思います。
逆にモチベーション2.0が欠陥だらけというのは新鮮でした。
アメさえ与えておけば効果の度合いは違えどモチベーションは上がるものと思っていました。
モチベーション2.0の欠陥は大きく次の4つです。(本で述べられているのは7つですが)
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内発的動機付けをする機会が失われる
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創造性を蝕む
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ごまかしや近道、倫理に反する行為を助長する
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依存性がある
確かに、「今の仕事が成功すれば100万円上げるよ」と言われた時を想像すると納得です。
きっとお金だけが頑張る動機になるでしょう。
ゴールだけを目指し工夫なんてしないでしょう。
楽な方法があればそっちを選ぶでしょう。
またもらえるんじゃないかと期待するでしょう。(もらえないと頑張らないかもしれません)
こんな状況では良い仕事ができるとは思えません。
ただ!ルーチンワークにだけは未だにこの方法で成果が上がるようです。
単純作業はがむしゃらに頑張ればいいからです。
しかし、現実的に今の世の中、単純作業の仕事はとても少ないでしょう。(少なくともうちの会社にはありません)
人は自分の中から発生したやる気がないと頑張れないってことですね。
メンバーに接する際には、やる気を押し付けるのは厳禁で、どうしたら
内発的動機を生み出してくれるかを考えることが大事そうです。(そこが難しいところですが…)
ちなみに、この前会社ではこんなことがありました。
「読書会を開くので希望者を募ります」と社内告知が出されました。
そのルールは次のようなものです。
– 読む本は既に決まっている
– 一人10分を目安に輪読、次に読む人は指名性
– 遅刻、欠席者には協力金(罰金)が発生
自律性がまったく無いのも問題ですが、罰金があることでみんな
内発的動機付けをする前に参加しない結論に達していたようでした。
最近の社内はコントロールされている感が強くて、モチベーションを上げれる環境にないように思います。
声を上げなければいけない時期にきてますね…